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第6話 棘だらけの日常

ผู้เขียน: 天田れおぽん
last update ปรับปรุงล่าสุด: 2025-06-11 20:05:26

(遅くなったわ……今夜も夕食は、お部屋で軽食かしら?)

 ミカエラは、王宮内の薄暗い廊下を自室へ向かって歩いていた。

 彼女の後ろには護衛がいつも付いている。

 一応は、王太子の婚約者であるからだ。

 外から見たらミカエラは護られている。

 でも真の意味で護られているとは、彼女自身は思っていなかった。

(護衛よりも、わたくしのほうが体を張っているわね)

 そんな風に思って1人、自分を嗤う。

 だからといって、誰かに何か言いたいことがあるわけでもない。

(これは運命であり役目。わたくしの力で変えることはできないし、他の誰かに変えることができるわけでもない。仕方ないのよ)

 そのくらいのことはミカエラにも分かっていたが、今はとにかく疲れていた。

 早く眠りたかった。

 なるべく平穏な夜を迎えたかった。

 ミカエラの眉がピクリと動く。

 今夜も彼女の願いは叶いそうにない。

 向かいから王妃が歩いてきたからだ。

 王妃セレーナは足を止め、その美しい青い瞳を未来の嫁に向けた。

 息子と同じく輝く金髪を高く結い上げ、青い瞳とよく似た色のドレスを身に纏う姿は一分の隙もない。

 大きく開いた襟元には、白い肌に映える金と真珠で出来たネックレスが輝いていた。

「あら、あなた。まだこんなところにいらっしゃるの?」

「はい。座学が終わったところです」

 ミカエラの言った内容など意に介さない様子の王妃は冷たく言う。

「もう夕食の時間よ? まだ着替えてもいないのね」

「はい……」

「ワタクシたちは食堂で、貴女を待たなければならないのかしら?」

(わたくしの席など用意されていないのに……)

 王妃の嫌味な言葉に言い返したいところであるが、ミカエラは無駄なことなどしない主義だ。

「いえ、わたくしは自室で食事を摂らせて頂きます」

「あら。そうなの。ではまたね。陛下を待たせるわけにはいきませんから」

「はい。いってらっしゃいませ」

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